ラーメンが森林を救う?
2021年12月23日伸びたタケノコを湯がいて乾燥し、「愛媛県産メンマ」を作る。今、そんな取り組みが県下に広がっています。
農家の高齢化などによって放置竹林が増え、周囲の木を枯らし、土砂災害につながる恐れもある。こうした竹林の整備を、メンマ作りで「食べて応援」するというものです。
ラーメン用を中心とするメンマは、その大半が中国や台湾からの輸入物ですが、大手外食チェーンからの「日本産にこだわったラーメンを作りたい」との働きかけから、県内の各地で、メンマの材料となる乾たけのこの生産が行われています。
竹は成長スピードが早く、森に入る日光を遮り、木々の成長を止めてしまうだけでなく、樹高の低い樹木を被圧・枯死させ、周囲を竹林化させてしまいます。
これにより、二酸化炭素吸収などの公益的機能や生物多様性の低下、根が浅く生えてしまったことによる地すべりなど、さまざまな問題を引き起こしています。
従来であれば、育ち過ぎてしまったタケノコは出荷することができず、「廃棄」もしくは「そのまま放置」のいずれかの方法しかありませんでした。
そして、収穫されずに残ったタケノコは、そのまま放置されることで竹になり、手入れが行き届かない放置竹林が広がる原因となっています。
放置された竹林のタケノコを利用することで生産者の収入増加に貢献するだけでなく、良質な素材で作るこだわりの愛媛県産メンマを多くの方にお楽しみいただくとともに、地域が抱える竹害の解決を推進することで「三方よし」を実現する取り組みを推進します。