先人たちから受け継いだ技術と知恵、豊かな海を次世代に繋ぐ『三崎の海士』
伊方町
水
阿部 和馬
さん
経営状況を教えて下さい
年間におよそ9ヶ月半~10ヶ月、素潜り漁を行います。冬にはナマコ、初春に海藻、春~秋にかけてサザエ・アワビ・ムラサキウニを採り、夏~秋には赤ウニを採ります。海士の操業形態は個々によるもので、僕の場合、漁期間中に200~220日程度出漁しています。
就業のきっかけや経緯は?
我が家は祖父の代から海士の家系です。中学3年生の夏休みに父の漁に一緒について行き、海中の景色やそこで生きる生き物の姿に圧倒され、父や他の海士の働く姿に憧れたことが1番のきっかけです。地元の高校を卒業後、海士になりました。
ふだんの仕事内容は?
急流と強風の佐田岬の海で、1日に約4.5~6時間、素潜り漁を行います。絶対的な体力と高度な潜水技術、安全に漁を行うために気象状況を見極める判断力と経験が必要です。また、活動水深が1~30mまでと、他の地域の海士や海女と比べて深い事も、三崎の海士の特徴です。
やりがいを感じるのはどんな時?
自分は故郷の海と地域の人々、多くの先輩方みんなに育ててもらった海士です。先人たちから守り受け継がれてきた豊かな漁場で、宝物のような品物を採り上げ、それでお世話になった人や家族、消費者の方に喜んだり感動してもらえた時が一番嬉しいです。
これからの目標は?
三崎の海の豊かさと品物の素晴らしさ、それから我々の仕事ぶりを、もっと広く多くの方に知ってもらうための取り組みに一層力を注ぎます。豊かな漁場と貴重な資源、磨かれた技術と厳しい海で生きる知恵。すべてをより高め次世代へ繋ぐことが自分の役割であり、目標でもあります。
今は仕事と子育てで手一杯です(笑)忙しく大変な毎日で余裕などないですが、苦ではないです。どちらも真剣に、楽しみながら一生懸命やりたいと思っています。
体ひとつで稼ぐ生活には毎日生きている実感があります。命を採って生きていく暮らしからは命への感謝が生まれます。安定の無い日々だからこそスリルとワクワクがあります。好きな事を突き詰めていった先には成功があると信じています。海士、めちゃくちゃおもしろいですよ。
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